独り、静かな教室で考える。






 ……これで、いいんだ。


 でもあたし、どうして今までこんな奴を信じてたんだろう?


 でももう、いいや。

 透が最低な奴だって分かったんだから。


 もう、いいの。

 あたしなら、池に行って泣かなくったって、もちろん透がいなくったって、大丈夫だ。


 ぐっと唇を噛み締めた。





 ……時間の無駄だった。



 透とお互いのこと話し合ったり。

 一緒に笑い合ったり。

 泣いているあたしを透が抱きしめて慰めてくれたり。


 透のことを想った時間も。

 透があたしを想ってくれていた時間も。


 全て全て、無駄だった。

 無駄。無駄。無駄……。




 …………本当に、無駄だった?



 透のおかげであたし、どんなに苦しくてもやってこれたんじゃないの?

 透といたあの時間は、あたしにとって大切な時間だったんじゃないの?




「っ………」


 ああ、どうしてもっと早く気付かなかったの?

 どうしてあんな酷いこと言っちゃったんだろう。