「ああ、そうかよ。だったらいつまでも馬鹿みたいに泣いてるんだなっ!」
「泣かないもんっ!」
「どーだか。うえーんうえーんって泉田にでも縋っておくんだな!」
「っ!サイッテー!!だったら透もずっとラブラブなお母さん達を見て、悲しんでおけば!?」
「はあ?意味分かんねえ」
そこまで言って、あたし達は黙り込んだ。
でも、じっとお互い睨み合ったまま。
二人とも息が上がって、肩を小刻みに揺らしている。
「……もうあたし、ここには来ないからっ!透も、もう知らない!!」
「ああ、勝手にすれば?俺だって、お前みたいなのと一緒にいたくねえし。」
「気が合うね!あたしもだよっ!」
「ああ、そうだなっ!」
「じゃあね!どうぞ一生可哀相な恋をしていて下さいなっ!」
「あーあーそうですか!お前もずっと辛い辛いって泣いていろよな!」
あたしは鞄を持つと、くるりと踵を返して早歩きで池から出て行った。
透の方を振り向くことは、一度もなかった……。
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教室に入るとすぐ、自分の机に突っ伏した。
幸い、時間が早かったため誰もいなかった。