電車の中も、苦痛で仕方ない。
生徒に戻ろう、戻ろうとするたびに、胸が悲鳴をあげるんだ。
とても、辛い時間。
だから、毎朝ここで泣く。
そして、何食わぬ顔で学校へ行く。
でも、傷ついた心は洗い流されない。
センセイが好き。
ただ、それだけのことだけど。
あたしには、告白するという選択肢は与えられていなかった。
センセイを思うと。
困らせることを考えると。
その後のことも考えると。
あたしには、大事な恋。
けれど、センセイは巻き込みたくない。
だから、言わない。
求めもしない。
センセイには、絶対に知られてはいけない。
……知らせない。
これは、叶わない恋でもあるけれど、叶えない恋でもあるんだ。