「ねえ、センセイ。昨日小テストだったじゃないですか。あれっていつ返ってくるんですか?」


 なんて言いながらセンセイの方を向くけど、目に入ってきたのはいつもみたいな笑顔じゃなくて。

 そっぽを向いている、暗い表情のセンセイだった。



「………セン、セイ?」

 あたし、なんかしちゃった?


 少し不安になりながらセンセイの顔を覗くと、

「……ん?ああ、明日だよ」


 センセイは、いつも通り優しい笑みを浮かべた。

 でも、その笑みも何処か元気がなさそう。


 やっぱり、あたしがちょっかいを出したから?

 でも、毎日してるんだし……。

 でもでも、もしかしたら本気で怒っちゃったとか……?


 ほんの少し恐くなりながら、あたしはもう一度センセイの方を見て、

「ねえ、セン……」

「プルルルルッ,プルルルルッ」


 でも電車が入ってきたことによって、結局あたしの言葉はセンセイに届かなかった。















 電車の中でも、センセイは暗い表情のまま。

 あたしが話しかけても、たまに無視される始末。


 ……不安だ。

 ……怖い。