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駅前の時計台の前で待っていると、遠くからコートに身を包んだ杏里が走ってきた。





「うっわー、寒いね…」





白い息を吐きながら手を擦りながら近づいて来た。





確かに、冬だから寒いなあ。





というか杏里はすごくオシャレだな…。
わたしも…湊くんの隣に並んでも恥ずかしくないくらい可愛くなりたいな。





「瑞姫! 行こーっ」




「うん!」






空がどんより曇っているからか、街はもうイルミネーションでキラキラ輝いてる







そして行き交うたくさんの人と…恋人通し。






ワガママになっちゃうけど、実は…クリスマスデートしたかったな。





「城川くんにあげるものは決まったの?」




「それが…まだなの。
なにが好きなのかもわかんないし。

わたし…彼女失格だよね」






周りのラブラブさに負けてなんだかすごくネガティブになってしまう。





するとコツンと頭を杏里に小突かれた。






「もー!
瑞姫は城川くんの好きなモノを1番知ってるじゃん」





「へ…?」





全然わかんないし知らないのに。
なんのこと……?





首をかしげると、杏里は呆れたようにため息を吐いた。





「瑞姫と城川くんの好きなモノは同じでしょ?」






わたしと湊くんの好きなモノは同じ…?