「そーいえば しおん、さっき何か言いかけてたんじゃないか?」
「そうそう!いつも僕、瑞希ちゃんの家で夕飯をご馳走になってるからさ、なにかしてあげたいんだけど、なにか喜ぶこととかあるかなー?」
「母さん達が喜ぶもの…」
そういえば、私は結婚記念とか誕生日とかなにもしてあげてなかったな。
この機会だし、しおんと一緒になにかしてあげようかな。
「そうだなぁ、母さんはゲームが大好きだから、しおんと一緒にゲームでもやってやったらどうかな?」
「それいいね!瑞希ちゃんも一緒にやろうね!」
「あぁ、そうだな。きっと喜ぶぞ。」
ゲームを今度用意しなければな…
「あ、瑞希ちゃん僕こっちだからーじゃあまた明日!」
「じゃ、明日な。」
しおんと帰り道はここまで一緒で、あと五分くらい歩いたら自分の家に着く。
……ん?家の前に誰か立ってる?
だんだん近づくにつれ、その顔はハッキリしてきたが、なぜ彼がここにいるのか全くわからない…。
恐る恐る近づいていき、向こうから声をかけてきた。
「…あ!山田瑞希さんだよね?」
「あぁ、そうだが?」
「ちょうど山田さんに用事があって、たまたま朝にでてくるの見たから家分かったんだけど…」
本当にたまたまなのか?怪しげに聞きながら
「山田さんって、渡辺しおんと付き合ってるの?」
…っつ!?
なんなんだこいつは、初対面でしかも家の前にいるのにこのような質問投げかけて…
「つ…付き合ってはないですが…?」
「ふぅーん、それだけ聞きたかっただけ、じゃあね、また学校で。」
彼は一度も振り返らず、その場を去った
一体それをきいてなにになるんだ。
全く…高校入ってから疲れることばかりだな…
すぐ家に帰り、明日のことについて考えることにした。
「山田瑞希さん…あと1人なんだよなぁ…」くすくす