「お、おじゃま…します」


覚悟を決め、がらっとドアをあけた。

既に席に座っているクラスメイトが、一斉にこっちをぐるんとみた。
その光景はあまりにも恐ろしいもので。

私の心臓はすでに飛び出して、どこかへ逃げてゆきそうだった。


どうやら初日の席は決まっていたらしく、机には番号が布ってあった。
出席番号1番、ということもあり、私の席は1番前であった。


(知ってる人…いないかな)


ちらっと辺りを見回してみても、知っている人が誰一人いないのだった。
それは周りのクラスメイトも同じらしく、知り合いがいないための不安感か、もしくは緊張感か、そんな重くて苦しい空気に包まれていた。


「おーい」


(うぁぁああ…どうしよう)


「…おーい!」


(友達…出来るかな)


「ちょっと、聞いてる?」






「っ、はい、ごめんなさいです!!聞いてます!!」


数秒の間があったあと、私はとっさに返事を返した。


「ぶっは、お前面白いなー、まぁ…なんか隣の席みたいだし、よろしく!!」



「よ、よろしく…!!」



彼の名札をちらっと見る。



【1年 宇佐美 優斗】




秋山の「あ」

宇佐美の「う」


そんなわけで、私たちは隣の席になったのだ。




ここから恋が始まる??

そんな少女漫画展開はありませーん!!