「暗くなったし、送ってく」




「あ、でも近いし。大丈夫だよ?」




ここから10分くらいの場所に家があるから、歩いてもそんなに苦ではない。




「それでも、暗い夜道を歩かせる訳にはいかないでしょ?」




「うん、ありがとう」



うまく笑顔を返せただろうか?




本当は琉珂と一緒が良かったなんて、手塚君の優しさに申し訳なくて、言えなかったから。