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ハルキにフラれて1ヶ月たったある日。

私のクラスでは修学旅行の班決めが行われていた。

中学3年生、中学校生活最後の思い出…

この班決めは重要なものだった。

班ごとにご飯をたべたり、バスの座席や新幹線の座席だって…

私は修学旅行の事で頭がいっぱいだった。

なんか、ハルキの事、忘れてるよなぁ…

私、立ち直り早すぎないか…

「じゃぁ、班を発表します。1つの班に、男女3人ずつです。発表するから、席も移動してくださいね。」

カリンと同じになれるかな…

なれたら楽しいだろうな。

「まず、1班。岡本、堀崎、内田………最後、6班。坂口、神崎、石川、上村、雪村、佐々木、です。…はい、席移動してー!」

うそ……

カリンと同じ⁈

うれし〜♪

「チナー!一緒!一緒!♪」

「カリンー!よかったぁ♪」

2人で興奮してると、後ろから私の腕をグイグイひっぱっている子が…

「「ん…?」」

カリンと2人で振り向くと、そこには…

「もうー!私もいるからね⁈チナチナとカリリン、私も入れてよー!」

「「サク…!」」

雪村 桜 (ゆきむら さくら)、私達の間では、『サク』ってあだ名。

今年に入って、1番最初に話しかけてくれたのが、サクだった。

背はカリンと同じくらいで、カリンよりも気が強い女の子。

ショートカットが似合う、綺麗め女子だ。

私達の事を、『チナチナ』『カリリン』と呼ぶ。

「完全忘れてましたって顔してるよ?ひどいんだからぁ」

「ごめんごめんっ。サクも一緒だし、楽しくなりそうだねー!」

きゃっきゃ、と盛り上がっている私達を見て、呆れてたのは、同じ班になった、坂口 星也 (さかぐち せいや)、神崎 昴 (かんざき すばる)、石川 夏斗 (いしかわ なつと)。

コツンっと私の頭を何かがつついた。(と、いうか叩いた…)

「痛い…」

「早く席決めんぞ」

スバル冷たい…

叩くなんて…

女の子なのに!

「せ、席…どこがいいの、みんなは…」

まだ痛い頭を抑えながらみんなに聞いてみた。

ボソッ。

……ん…?

セイヤがスバルとナツトになにかを耳打ちした。

その瞬間。

ガシッ

「はい、チナはここの席ね〜!」

ナツトに腕を掴まれ座らされたのは1番後ろの席。

「な、なんでここなの⁈」

「なんでって、なんででしょう?♪」

笑いをこらえるスバルとナツト。

楽しそうに私の質問に答えた、サク。

状況がよく分かっていない様子の、カリン。

耳まで真っ赤にして顔を手で覆ってるのが、セイヤ…?

なんで、そんな照れてるの…?

「セ、セイヤ…?」

セイヤの肩をツンツンと突くと、さらに真っ赤になった。

「ツンツン、は反則だよねー!チナ可愛いからさぁ…」

「だな。な?セイヤっ」

「ばか…!ば、バレるだろ⁈///」

…???

「みんなどうしたの…?」

私と同様、まだ状況が分かっていないカリンが聞いた。

「もー、カリンも鈍感!」

そういいながらサクがカリンに耳打ちした。

「えええええ!し、知らなかったよ!…へぇー…♪」

な、なんなのよ、その不敵な笑みは!

「なになに!私、なにかした…?」

「なんにもないよーん!まぁとにかく、チナの席はそこね!」

えぇ…

なんなのよ、みんなして…

私なにかした⁈

なんかやらかした⁈

「なに百面相してんだよ?」

「だって〜…」

半泣き状態の私は、スバルの意地悪な言葉も、こんな言葉でしか返せなかった。

私がいろいろ考えている間に、とっくに席の位置は決まっていたらしく…

私の隣はセイヤになった。