「な、奈乃サン?離れよっカ……」




所々変な日本語。




だって緊張してるんだもの。




生まれてこの方、彼氏いない歴=年齢だから!!




男子なんて幼稚園で手を繋ぐくらいしかないから!!




「やーだ」




そう言って強くなる腕。




あああ、女子がいなくてよかったぁ…




じゃなくて




「は、恥ずかしいってば……」




「未蘭、いいにおいする」




話聞けや。




「っ、くすぐったい…」




肩をスリスリ頭で擦られて髪がくすぐったい。




完全に、爆発寸前まで追いやった。




「奈乃!!杏ノ原様って呼んじゃうよ」




「それはやだっ」




あーるぇー。




ははっ、逆効果だったよー




更には「ダメ、嫌いになったら死んじゃう、行かないで」なんて耳元で言われて。




こっちが死んじゃうよぉぉぉぉ!!




誰か助けに来ないかな……




「あっ、ちょっ、杏ノ原!!何してんよ!!」