「は、はいっ!!」





突然話しかけられて肩が大きく跳ねる。





「なんで、そんな堅苦しいの」





「え……?」




「なんで、敬語とか、様とかつけんの」




握られてる右手に微かな震えが伝わる。




泣いてるの?




質問の答えが見つからない。




これから私は彼に、酷い事を言う。




財閥の子ならとっても苦しいことを




「そ、それは……杏ノ原様は私たち華季より上の位、ですから」




途端、右手の温もりが消えた。




「……なんで……みんな」




私に背を向け、小さくなっている姿は




この場面にふさわしくないけど、可愛いい。