「うっ……ひっく……」





着いたのは西校舎の空き教室




西校舎は、幽霊が出るとかで有名で、先生も通ろうとしない。




ずっと握られてる右手は、放そうとせず、掴まれたまま。




「っ……ありがとうございます…」




「ん、なんか……ごめん」




「いえっ、勝手に泣いた私が悪いですからっ!!」




端にいる私たちの声が教室に響いた。





「……」




「……」




沈黙が続く。




隣に座ってる彼の様子を見ると、髪で隠れてよく見えなかったけど




怒ってるのか、泣いてるのか、そんな表情だった。






「なぁ」