それで今に至るってわけ。




まぁ、廊下でもその話は耐えないわけだけど。




「へぇ…、杏ノ原様は凄いのですね」




「そう?」




「私、感動しました」




経済も中学生なのに手伝いをしてるらしい。




それに比べて私は




『未蘭がいるとうまくいかない、邪魔なのよ』




つい最近言われた言葉を思い出す。




資料が落ちてたから拾っただけなのに




1枚足りないだとか、角が折れてるだとか




迷惑かけてばかり。




「えっ、ど、どうしたの?」




いつの間にか、涙が流れてたみたいだったらしく、杏ノ原様が慌てている様子が見えた。




「どっか怪我した?どこ?」




「ち、違いますっ目にゴミが入って……」




無意味な言い訳を言っても杏ノ原様は心配するのを止めない。




杏ノ原様を、私ごときが心配させるなんて




バカなことをした。




それでも流れ続ける涙は、止むことがない。




「と、取り合えず行こ!!」




私の手を掴んで、廊下を走り出した。




まだこの学校の校舎なんて一切知らないなのに




どこへいくのだろう。




けど、私はどこか静かで、二人きりになれる場所に行きたかったからありがたかった。