それにしても「杏ノ原」って珍しい名字。





いそうでいなさそう、って感じ。





あ、どっかで聞いたことがあるような……なんかよく社長だけが集まるパーティにそんな人いたような……。




誰だったっけ?




まあ、次のパーティにも来るらしいから覚えとこ。




「じゃあ……杏ノ原は、あれ!!華季の隣ね」





先生、人を物呼ばわりしないでいただきたい。




私、傷ついちゃうから。




心は純粋なピュアハートの持ち主だから!!





「はーい、杏ノ原くん!!こっちこっち」





しょうがなく、手を挙げて杏ノ原くんに場所を示す。




すると、まるで犬のようにはしゃいできた。





可愛い。




「ありがとう!!えっと…華季さん?」




「うん!!よろしくね、杏ノ原くん!!」




間近で見るとカッコいいってもんじゃない。




私にはその光が強すぎた。




前の席のりりは言わずもがな、煩いである。