「…せ、い、や…」
「桂汰、死ぬなんて言うな」

 ふざけながら話しかけてきたさっきの静哉と、今、私を怖い目で見つめている静哉…。
 
「な、何言ってるの、そんな…」
「聞こえたぞ、ちゃんと」

 いつもの、物静かで、それでいて気さくで、明るい静哉とは全然違う。はっきり言って、怖い。

「馬鹿言うなよ、自分1人で考え込むな」

 …気のせいか、静哉の目がうるんでいる。

「…ごめん、静哉…ごめん、泣か…」
「泣いてねぇっつの」

 いつもの静哉に戻った。
 …幼なじみの静哉。
 他の男の子とは、全然違う。
 落ち着くし、一緒にいても全然辛くない。
 もしかしたら…
 “異性”として、
 見てないのかもね。