「良かったー」

ママが手を目頭に当ててわんわん泣いている。

「もしかしたらある日突然出てくるかもしれないので娘さんの体調は充分目を凝らしてください。」

「はい。ありがとうございました。」

パパも目に涙を浮かべながらさっきのおじさんに頭を下げる。

おじさんわにこやかに微笑むと部屋を出ていった。

広い部屋に私とパパと ママだけになる。

ママが私の体を抱き寄せる。

「良かった…里香…本当に…良かっ…た…」

ママが泣いている。

大粒の涙が肩に落ちてくる。