「えー、さっきまでは居たんだよ?全く変わってない佐々木が」

「…ありがと」

「え、千紗ー?」



もしかしたら、
もしかしたら、

あそこに行ったのかもしれない。


千紗の足が廊下を
駆け抜ける。


あたしと佐々木くんが約5年前、
初めて出会ったあの場所。


バンッ

ドアを勢いよく開けて
息を整えながら、


「佐々木くーん!」


あたしは叫んだ。