立夏がカァ…と
恥ずかしくなった。

あたしもストレートな性格だけど、
佐々木のがストレートじゃない?


てか、それって…

教室に戻ると
立夏が千紗の肩をトントンと叩いた。


「ねぇ、佐々木って今も千紗のこと好きなんじゃないの?」

「え、…あ、」

「何その反応」


千紗も気づいてるってこと?


「何で付き合わないの?両想いなんでしょ?」

「…今は、そういう気分にならないっていうか…それは、佐々木くんも分かってくれてるから」

「………」

「あたしだけ、幸せになんてなれないよ。瑛司がこんな時に浮かれてちゃダメだと思うし」


千紗が下を向いて
小さく笑った。

一瞬、見せた弱い部分。


だけどすぐに笑って、


「あたし、今千羽鶴作ってんだけど立夏も手伝ってよ」

「あ、うん。もちろん」


鞄から折り紙を取り出した。