「高倉さんが笑ってあなたのことを話してたのは、あなたがいつも笑顔だったからよ」



涙を堪えながら、
肩を震わせるあたしに

看護師さんは優しい表情で
背中をさすってくれて。


ポロポロと涙が出ると、
タオルを貸してくれた。


あたしが笑っていたから、
瑛司も笑顔で居れた。

ってことは、

あたしが泣いてると
瑛司も悲しむ。


「…ありがとうございます」


そう思うと、
あたしは泣きながら笑った。

それに看護師さんも
ニコリと微笑んで。


仕事に戻って行ってく。


あたしはこの日、
決めたんだ。


「よしっ」

両頬をパンと叩いて。

顔を上げた。


もう、泣かない!