1月1日。


「おはよ、瑛司…年が明けたよ」


特別に、と
少しだけ許された面会。

あたしはギュッと
瑛司の手を握りしめる。


細くなった指、
小さくなった手。


「…瑛司、起きないの?」


あけおめって、
今年は挨拶しないの?


瑛司はずっと
眠ったままで、

ピクリともしない。

たくさんの管と
瑛司が生きてるって解る器械、

そして普通じゃない酸素マスク。


あたしが話さなければ
器械音しかない病室。


「…っ、起きてよ…」


立夏だって心配してるよ?

瑛司の友達も、
佐々木くんも、

皆瑛司が目を覚ますこと
祈ってる…