「高倉さん、息子さんなんですが…」


瑛司はまた目を覚ます。

また「千紗」って
笑ってくれる。


そう、信じてた。


「…え?」

「非常に申しあげにくいのですが、」


でも、あたしの
祈りは届かなかったんだ。


「もって、3ヶ月あるかどうかです…」


病気を、甘く見てた…


「3…ヶ月…」

「検査の結果、脳にも転移しています。恐らく意識は…」


外で真っ白な雪が
降り注ぐ中、

あたしと佐々木くんは
何も知らず瑛司を信じるしかなかった。

信じるしか、



なかったの……