「タロウ…く、苦しいから、離して」


タ「ご、ごめん」


「…」


しばらく沈黙が流れる。


「あたし…あの…ゴメンね、タロウ」


タ「?どうして謝るの?」

「だって…あんなヒドイこと言っといて、いざとなったらタロウのこと呼んだりして…。都合良すぎるよね…」


タ「…それでもいいよ。僕のことを呼んでくれて嬉しかった。ハルカ昨日…すごく怒ってたから」



タロウは少し切ない目であたしを見つめた。



タ「どんなにハルカに嫌われても、都合よくても。ハルカに恩返しするまでは僕はハルカの側に居るから。」


あたしは我慢していた涙が一気に溢れて、自分からタロウに抱き着いていた。


「ゴメンね…ゴメンね」


タロウはあたしの頭を優しく撫でた。


何故だろう?


不思議な感覚…。


恋だとか好きだとかじゃない。


もっと違う…何かに似た”愛おしい”感覚…。


タロウ…あなたは一体誰なの…?