先輩は校舎をずっと離れて歩き続けた。
辿り着いたのは…呼び出しといったらおなじみの??体育館裏。
いつの間にか三人いた先輩は二人になっていた。
少し離れて立ち、いきなり大声を出した。
「あんたかアイコわ!!」
???
ヒソヒソ…「違うよマキ、ハルカだよ。」
「あっ、う゛う゛ん。あんたかハルカわ!」
と、更に声を荒げる…
…もしやおばかさん?
「はい、そうですが…。」
先輩の一人(こっちはカオリというらしい)があたしの肩を掴む。
舐めるように私を見て一言。
カオリ「…フン、なるほど粋(いき)そうだね。」
…粋じゃなくて生意気では。
と、つっこみたい。
そしてボス(マキというらしい)が仁王立ちしながらあたしを睨みつける。
マキ「西校のマサトと付き合ってるんだってね?」
「はい…。でも二股なんてしてません」
マキ「何だその態度は!まじこいつ粋だよ。ムカつく。マサトはうちらのモンなんだかんね!」
もしや単なるマサトのファンか?
…つうか粋じゃないってば。生をつけてよナマを。
緊迫した雰囲気なはずなのに、あたしは何だか笑えてきた。
マキ「よ〜し、やるよカオリ」
と合図をするともう一人があたしを後ろから羽交い締めにした。
「ちょ…何するんですか。」
突然の状況に焦りを感じる。
一体何するつもり?
マキ「アサコ!!出番だよ!」
マキが呼ぶとちょっと高い塀の上から消えていたもう一人が飛び降りて登場した。
この人らヒーローアニメの見すぎじゃ…。
でもこの状況はちょっとマズイ。