「……先輩」


そこには有名ないじめっ子?トリオの先輩が腕を組んで立っていた。


…で、こっちを睨んでいる。


教室は一瞬シンと静まり返り、すぐにまたザワザワとしだした。


何でもその先輩は、他人の恋バナには人一倍敏感らしく、何か噂が立つ度に現れるらしい。


知らない者はいないほど有名な人たちだ。


中央に立っている先輩が、あたしを見て、クイクイと顎を上下する。


ア「呼び出しだよ…やばいよ〜」


エ「あいつらまた下らないこと…」


そう言ってエミが立ち上がる。


エミとそいつらは一応タメなので(エミがタブってるから)顔見知りらしい。


もちろん彼女たちの下らない活動の噂も耳に入っていて、常日頃から


「人の恋に干渉するな」


と怒っていた。


「待ってエミ。あたし自分で行く。」


あたしは立ち上がったエミを座らせて先輩の後について教室を後にする…。


女ばっかりの学校は何かとめんどくさい…。


先輩は無言でずんずんと歩いて行く。


三人とも校則で禁止されているにも関わらず、金髪に近い茶髪で手にはジャラジャラとアクセサリー。


スカートも短くてそこからのぞく足は日本人離れした黒さだ。


見た目的にもちょっと怖いけど…。


二股なんて誤解もあるし…。誤解は解いておきたい。


だけどちゃんと話を聞いてくれるだろうか…?


あたしは今更ながら不安になってきた。