「アハハ、ビックリした?」
「い、い、いきなりベンチの下からでてきてビックリしないわけないでしょう!なんで…そんなとこから…ハァハア」
あたしは息切れしながら携帯を取り出し
…110番をダイヤルした。
「待って、話を聞いて」
そういいながら男があたしの手を止める。
あたしは呼吸を整えながら
「あたしはあなたのこと知りません。しつこく付き纏うなら警察呼びますよ!」
と怒鳴りながら男を威嚇した。
…が、男は反してニッコリ笑う。
「僕の名前はタロウ。君が探してた王子様だよ」
「……はぁ?」
なんだか怒りを通り越して笑えてきた。
自分のこと王子様だって…
イタイ!!きっとイタイ子なんだこいつ。