こんなにくっついて歩いて、どっからどう見てもカップルじゃん…。
時折他の下校生たちの黄色い声が聞こえてくる。
「そういえば話って何?」
意外にもタロウから切り出してきた。
よし!チャンス!!
あたしはグッと拳に力を入れた。
「…あのね。親切にしてくれるのはありがたいんだけど…えっと〜」
…迷惑。とは言えなかった。実際傘とかかなり助かったし…。
「ハルカ、今日はごめんね」
「え!?」
予想外の言葉がタロウからでてきた。
「あの怖そうな先生に怒られなかった?」
「…うん。あのね?タロウ。これからは困った時は呼ぶからさ。それ以外は…えっと〜」
また言葉に詰まる。
いつもニコニコ笑顔のタロウの表情が曇っていくのが見えたから…。
「そっか…わかった」
寂しそうにタロウは呟いた。
何だかすごく申し訳ない気持ちになってしまった。
親切にしてもらっといて…なんかフォローしなくちゃ。