これは夢…?


だけど、擦りむいた膝が痛い…。


転んだ時に体をかばった手も、もの凄く痛い。


これは…夢じゃない。


「タロウ……?何で…?」


あたしはタロウの手をとり、まじまじと見つめる。


「どうしたの?なんか付いてる??」


「だって…透けてないかなって…」


「アハハ、幽霊じゃないよ、本物だよ。…今はこれが本当の姿。」


「だって…だって…タロウは死んじゃったじゃない?」


あたしは泣きそうになるのを必死に堪えた。


肩が小刻みに震える。