−−10分位でタロウの家に着いた。


あたしは自転車を停めて深呼吸する。


「飼い主さん…あたしのことわかるかな…」


恐る恐るインターホンを押してみた。


♪ピンポーン♪


軽快な音が鳴り響く。


少ししてから、「はい」という優しい声とともに、小柄なおばあさんが出てきた。


「あ、あの…」


緊張して言葉が出なくなった。