翌日、居ても立ってもいられなくなったあたしは早めに起きて、出かけることにした。


「行ってきます!」


「あ、ハルカ、待って。これ、あのワンちゃんに持って行ってあげて。こっちは飼い主のご夫婦に」


何かなと中を覗いてみると菓子折りとドッグフードだった。


「こんなの食べるかな?」

「何言ってんの、犬だもん食べるでしょ。高かったんだから〜」


「ハイハイ、じゃあ行ってきます。」


「あっ、ハルカ待ちなさい!」


お母さんがそう呼び止めた時あたしはすでに自転車にのって走り出していた。


「全くあの子ったら…。犬だってそう長生きじゃないんだから…。今も生きてるかわからないよって言おうと思ったのに…ま、行けばわかるか」