「やだ…行かないで…やだ!」


あたしはタロウに手を伸ばす。


「ハルカ…ごめんね。楽しかったよ。さよなら…」


そのままタロウは闇に消え入るようにいなくなった…。


公園にはサワサワと風の音だけが聞こえていた。


「そんなコト言ってすぐヒョッコリ出てくるんだよね…?また…遅刻しそうになったら、助けに来てくれるんだよね…?」


あたしは誰も居ない闇に向かって話しかけた。


…もちろん返事はない。


こんなの…辛いよ。タロウ…


ベンチでうずくまって泣いていると、足音が近付いてきた。


「…ハルカ?どうしたの?」


「……エミ…」