「ねぇハルカ」


「ん?」


「もし僕が君の前に現れなくなったら…僕のことは忘れてもいいよ」


「…どうしてそんなこと言うの…?忘れられるわけないよ。いっぱい助けて貰ったのに…」


「…僕は犬だから」


「…」


何も言えなかった。


タロウが人間だったなら…

「ハルカは優しくて可愛いから、すぐに素敵な王子様に出会えるよ」


そんな…これが最後みたいないい方しないでよ?


「さよなら、ハルカ。…ありがとう…」


「待って!ありがとうはあたしのほうだよ…。今日ロウが助けてくれなかったらあたしの人生めちゃくちゃになってたよ」


「今日がハルカの人生最大のピンチ。…僕は…今日君を救う為にこうして人間の姿を借りてここにいるんだ」


タロウが立ち上がる。