「…ハルカ」


「…ん?」


「もし僕が…人間だったら…僕のこと、好きになってくれた?」


「…人間じゃなくても…好きだよ」


汚れた人間よりも、ずっと純粋で、素直で、温かい心……。


犬だって人間だって、尊い命に変わりはない。


「…ゴホゴホっ」


急にタロウが咳込む。


「大丈夫?」


「ん…なんとか。」


「やっぱりどこか悪いんじゃないの?顔色もすごく悪いし…」


公園のライトに照らされたタロウの顔は青白く、健康とは言い難いものだった。