翌日−−−


あたしとタロウはママの車でタロウの家へと向かった。


タロウの飼い主は子供の居ない老夫婦で、タロウが帰ってきた嬉しさと安堵の余り、涙を流してあたしたちに感謝した。


「タロウ、お別れだね。あのね、トモダチの印にハルカの1番の宝物あげるね」

そう言ってあたしは大事にしていたカエルのハンカチをタロウにつけてあげた。

「少し汚れてるけど…大事にしてね」


タロウがあたしのこと忘れないように…


”タロウへ ハルカより”

と、メッセージを残して…。


「とっても似合ってるよ!…バイバイ、タロウ」


その時、それまで大人しかったタロウが


「ワン!」


と吠えた。あたしの言葉が分かってるみたいに…。