しばらくすると、先生が処置室から出てきた。 「先生!ワンちゃんは…」 「幸い傷は浅かったことと、ハンカチによる応急処置で出血が遅くなったので、命に別状はありませんよ。ただ…傷は残りますが」 あたしはホッと胸を撫で下ろした。 子犬は麻酔でぐっすり眠っているようだ。 その日はその犬を家に連れて帰った。