静かな教室。茜色に染まった空。
全てが忘れられる気がした。
薄暗い教室のロッカーの中に1人の私。
なんでこんなところにいるかって?
そりゃ...
「先生...好きですっ」
あ、始まった。毎日のように繰り広げられる佐藤先生への告白。
「ごめんね。君のこと生徒としか見たことがない」
少し切ない表情。
「...つっ」
女の子は走り去ってしまった。
「あ〜あ」
佐藤先生は、頭を掻きながら私の席に座る。
出るに出られない状況の中時間だけが過ぎて行く。
「いつまで隠れてんの。小林さん?」
口角をあげこちらを見上げる先生の顔は優しいようで怖いようななんとも言えない顔だった。
扉を開けロッカーからでる。
人の告白聞くなんて悪趣味と先生は笑いながら言う。
「なんで、先生は告白振るんですか?彼女欲しくないんですか?」
なに言ってんだろ。自分に呆れる。
欲しいよ。そう呟く先生の顔は曇っている。
「じゃあ...『だからって君等とできることなんて限られてるでしょ?』
先生はそう言って笑う。