高校三年の夏 今日は転校生がくるらしい。

こんな時期に転校してくるなんて、何か事情でもあるのかしら?

「転校生イケメンらしいよ!」
「前の学校で問題起こしたんだってー」

教室内に交わされる様々な会話が耳に入ってくる


昨日も夜10時までバイトしてた私には
そんなウワサどーでもよかった。




疲れと睡魔が私を襲う…





─────…カクン





意識がすっと遠のくのを感じた










「琴美、おはっ♪昨日も夜までバイト?…って、顔色わるっ。受験生なんだし、進路決まるまで休ませてもらったら?」

そう言って心配そうに私の顔を覗き込む友人
柏木 百合 ─kasiwagi yuri─

「ん…ありがとう。でも大丈夫、どーせ就職希望だし」

「ふーん。まぁ、無理しないでね?」

百合の言葉に私は、再度ありがとうと返事をして重い瞼を閉じた