「……ずっ、パパに……パパに言いつけてやるんだから!!あの女も、生徒会も、蓮さんも、煌もっ!!!こんな学校つぶれちゃえば、いいのよぉっ!」







またもや唖然。







少女の我儘で学校がつぶれるわけない。









「では、これをもちまして生徒代表、生徒会長の挨拶を終わらせていただきます」









そしてわめく少女を完全無視で今までしゃべり続けていた蓮が挨拶を終えた。






それまで少女に気を取られていた女たちも、蓮に拍手喝采を送り、歓声を上げる。







「会長ーーーー!!イケメンですぅ!」「かっこいい!!」「好きですー!」「キャーーーー!」「連様ぁぁぁぁ!」「こっち向いてぇーーーーーー!」









もはやアイドルのコンサートだ。






ここで蓮が手を振ったら完璧なるファンサになってしまう。







でもいくら騒がれても、うるせぇなとしか思わない蓮が手を振るなんて地球が真っ二つに割れても起こらない。







「………待ちなさいよぉっ!」








そして少女の叫びも存在も騒ぎに消されてしまった。






この間に教師陣が少女を撤収しに向かう。






たぶん彼女は厳重処分だ。







親がそこそこの会社の社長でも、生徒会に勝てるはずがない。







学校側は生徒会…というか、今の生徒会のメンバーを明らかに贔屓している。







まぁ親が親だから学校側がそんな対応になるのは仕方ないのかもしれない。







ちなみに俺も結構いい扱いを受けている。








裏口入学なんてこの学校は簡単にできるし、美玲に隠れて存在は薄いけど芸能人が少し通っているらしいので、少女の妊娠のことと同じように生徒の個人情報の守りはとても固い。








全校生徒に当てはまれるただそれだけのことを、自分の親の力は凄いんだと威張ってもらっちゃダメだ。








俺の親の会社のほうがでかいし、ほかの四人の会社もほぼ同じ規模だ。