今日、終業式であったこと_____。







「次は生徒会長の言葉です」






本当は美玲が読む気満々だった挨拶だけど、結局休んだので通常通り蓮が読むことに。






蓮がステージに立った時に問題は起きた。









「……あの女はどこよっ!!」









いつか、美玲が言っていた暴走族の姫がステージに乗り上げてきたのだ。







「………は?」






蓮の低い声がマイクを通して流れる。






でも蓮は、次にはあろうことかその少女を無視してしゃべりだした。








「暑さが続いておりますが、みなさん体調はいかがでしょうか?」







しかも無意識なのだろうが、いつもより遥かにちゃんとした挨拶だ。







喧嘩を売っているようにしか思えない。






でも蓮はステージで唖然としている少女の姿なんて視界に入ってすらいないんだろう。







「ちょ、ちょっと!」








少女の声は大きく、マイクが拾ってしまっているので体育館全体に広まっている。







もちろん生徒もざわざわと異変に不審がっている。








「ちょっと!蓮様の横に立つなんて生意気よ!そこは美玲様の場所よ!!」





「おいブス!煌様に振られたからって次は生徒会に近づくのかよ!!」








「……なんであの女が?」「あれじゃない?なんか姫のせいで騎王の姫降ろされたから怒ってるって噂だよ!?」「なんでこんな目立つことしてんだろ」「バカ?」








「早くそこから降りなさいよ!蓮様が汚れるわ!!」




「ブス!そのツラうちらに二度と見せんじゃねぇよ!!」









そして少女に浴びせられる生徒会、暴走族派の両方からの罵倒。





少女はすでに殆どの生徒から好感など持たれていないのだ。







するとやっと我に返ったらしい少女。








「……なによなによなによ!!みんなしてなによ!!あたしかわいいでしょ!?あんたらみたいなブスより何千倍もかわいいのに!ブスたちは黙ってなさいよ!!!」








そして無茶苦茶な論理を吐く。







「………は?」「自分の顔見て言ってんの?」「確かにかわいいけど、普通にどこにでもいそうなレベルじゃない?」「てか性格カスイな」「ブス黙れっていうならお前も黙れよ」「自意識過剰ーー。マジ痛いわぁ」「なんか見てて無様で醜いわ」「あんたが可愛いのは分かったから早く会長のそばから離れてよ」









「…………なんでぇ!?だって、だって、だって………あたし………かわいいもん。あたしのほうが、かわいいもん……。あんな女より全然かわいいんだからぁー!!!」








そしてついに泣き出してしまった。