「……高いな」
「……それでも下がったよ。寝る前は38度後半あったはず…」
それを聞いて眉間にしわが寄る玲。
「……とにかく汗でビチャビチャだから服着替えて。シャワーは絶対浴びるなよ。気持ち悪いなら濡れたタオル持ってくるからそれで拭いて」
玲は心底心配そうにあたしの頭をなでる。
「美玲、熱あがったら強制的に病院行きだから。…何か食べれそうなものあるか?」
「病院はいかないけど…。……おかゆ食べたい」
「おかゆな。……美玲、涙の跡ついてる」
玲はあたしの頬を何度か少し強くこすって立ち上がった。
おとなしく待っとけ、と柔らかく微笑んでキッチンへ向かった。
あたしはただ寝転がりながら玲の様子を伺う。
ふと、自分がいま汗でべたべたなことを思い出してゆっくり起き上った。
そしてテーブルに置かれていた服に視線を向ける。
それを手に取るとあたしのティーシャツとモコモコのショーパンだった。
今着ている服を脱いで、同じくテーブルに置かれてあったタオルで体をさっと拭いた。
そして着替える。
「…………疲れた」
だーんとソファーに寝転がった。