あたしも力なく笑う。
「……玲、頭撫でて…」
そうお願いすると玲は頭を撫でてくれる。
……やっぱり玲は暖かい。
少しだけ顔が綻ぶ。
一瞬玲に風邪移っちゃうとか思ったけど、まぁいいや。
「……あれ?玲、学校は……?」
「もうお昼過ぎだぞ?今日は終業式とホームルームだけだし少し顔だけ出してきて早退した」
……あたし、そんなに寝てたんだ。
「……そっかぁ」
「昼過ぎだから何か食べるか?家にある薬をとりあえず飲まないと熱も下がらないし」
「……うん」
「りょーかい。じゃ、ちょっと待ってて?作ってくるから」
ポンポンとあたしの頭をなで立ち上がろうとする玲。
…………あ、
「……やっぱいらない…!だから、傍にいて…」
一人にはなりたくない。
そう思うのは風邪をひいて弱っているせいか、それとも他に何か原因があるのか。
でも本当に玲がそばにいるだけで心が落ち着けるんだ。
「……でも何か食べないと」
「…離れちゃ、いや」
玲は眉を下げてあたしをじっと見てくる。
「……ならリビングのソファーに少し移動するか?しんどいかもだけど、キッチンからまだここよりかは近いだろ?」
玲は何としてでもあたしに何かを食べさせて、薬を飲ませたいみたいだ。