そして聞こえたのは____。
「美玲、大丈夫か…?」
あたしが求めていた声。
張りつめていた感情がほぐれていく。
「………玲っ」
……あぁ、そういえばここ玲の寝室だ。
涙を拭って周りを見まわたすと見覚えのある部屋。
そのことを理解するとさらに安堵した。
「美玲、起きてなくていいからまだ寝とけ」
そして玲は優しい表情であたしに問いかけ、ベッドに腰掛けた。
そっと肩を押してベッドに寝転がさせてくれる。
「……玲、しんどい…」
熱は下がらず上がり続けているのか、もうただしんどい。
「病院行こうか」
とても落ち着いている玲。
「……いや」
「病院行って薬もらわないと熱下がらないよ?」
いつもよりも優しい声色で話しかけてくる。
「玲が、そばにいてくれたら治るもん……」
「………そんな可愛いこと言ってもダメ」
「……だめ?」
玲をじっと見つめる。
「………じゃ、明日熱下がらなかったら病院行くぞ」
すると玲は困ったように笑った。