寝返りをうつと、ぐっと意識が浮上してきた。
でもそのとたんに体に感じるダルさ。
重たい目を開けると見慣れない天井。
………あれ?
回転しない頭でわかるのは自分の部屋ではないということ。
ここ、どこ……?
ゆっくりと手を使って体を起こそうとするけど、うまく起き上がれない。
体が熱い。だるい。息が苦しい。
そして頬を伝う涙_______。
なんで、涙なんか流れているんだろう?
「…………れ、い?」
玲は、どこだろう。
とどめなく溢れ出す涙。
「………玲っ」
悲痛に玲の名前を呼んでいるあたし。
_____なんで?
熱に侵された頭は理性なんてものはないのか、ただ本能で玲をよんでいる。