「冷夏」 あたしには、あたしを呼ぶ声がいるから。 「あ、きっ!」 あたしはそのまま秋に抱きつく。 「つらかったな」 そう言ってあたしの頭をなでる。 あたしはその仕草に、さらに腕の力を強める。 「・・・・・・おかえり」 「秋・・・た、だいま・・・!」 あたしがそう言うと、秋はそのままあたしの頬に手を添えて、 ゆっくりと、優しく キスをした。