あたしはそっと左手の薬指を見る。 きれいに光る指輪は、あたしの宝物だ。 あのプロポーズから1年がたとうとしていた。 やはり高校生だし、お互い親がいない。 もちろん裕福に暮らせてるわけでもないし 同居する為の家とか買う余裕もない。 …だからこうしてマスターに1年中、 部屋を借りているわけだ。 ……無料で。 え?マスターとの関係? ……言ったら面白くないでしょう? またの機会にね。