二階の自分の部屋に入り、部屋着に着替えてから、交換したスクールバックと紙袋を机の上に置く。

美緒ちゃんの性格そのもののようなバックは、新品みたいに綺麗で使うのに戸惑うぐらいだった。


……私のは乱暴に色んな所に放り投げててボロボロだから恥ずかしいな。



「ん?」


気を取り直して紙袋から布を取り指すと、青色の子ども服が出てきた。


良く見たら、幼稚園の時の青いスモッグで、名前もひらがなで『なぎさ たいち』と書かれている。

このスモッグも所々汚れて痛んではいたけれど、綺麗に保管していたのか状態がとても良かった。


「これで、お守りを作るんだ……」

確かに可愛いしこれなら喜んでくれそう。

どうしようかな。
あの雑誌にはメッセージと、四葉とか、ぴったりの花ことばをもつ花を入れたりとなかなか工夫している。


四葉とかどこに咲いてるか分からないし、探してるのを見られるのはちょっと恥ずかしい。

花ことばの意味で調べるとアマリリスの『栄光をともに』とかナスタチウムの『勝利』とか素敵だなって思う。

「お花屋さん、覗いてみようかな~」


頑張ってる太一にちょっとでも応援している気持ちを伝えたくて。

そう思うと胸が弾んだ。