もじもじしながら、私のカバンを見た。
「その、ウチの学校、今他校のカバンを使うの流行ってて、ちょっとだけ交換して欲しいなって」
「うちのでいいの?」
あんま可愛くないってか、進学校に通う美緒ちゃんが持って大丈夫なのかな?
「うん! 特に深雪ちゃんのはワッペンとかリボンとかオシャレだもん! テスト終わったら指定店に買いにいくからそれまで!」
「いいよー。私も美緒ちゃんのバック可愛いなって思ってたし」
いそいそとウチの家の玄関で中身を取り換えっこしていたら、アイスを食べながら奏が帰宅してきた。
「何してんの?」
「奏くん、おかえりなさい」
「お、美緒ちゃん。今日も可愛いね」
「何、ナンパしてんのよ」
美緒ちゃんもバックにしか目が無いのか適当な返事のみで帰って行く。
「美緒ちゃん、兄貴が帰ったら俺の部屋来るように言っといて」
「はーい」
カバンを抱きしめるように抱えて笑顔の美緒ちゃんは見ていて和んだ。
「来週から部活休みだし、部屋片づけとけよ」