受け取った日程表を見ながら、小さく奏がため息を吐いた。

「そういや、浜松と練習試合する日、多分太一達の甲子園への決勝と重なるぞ」


「え!!??」


「太一達が勝ち進めばだけどな。どっちにしろ応援行けないなら、本番の甲子園だけは見に行けば良いよな。甲子園に出るなら俺らの県の代表だし」

「そ、うだけど」

コップを拭き終わり、戸締りをしながらそう言う。
なんなんだろう。
何でこんに寂しいんだろ。

出来れば三人で仲良く居たいのに。


「早く乗れよ」
ポンポンと自転車の後ろを叩たいて促された。
話を遮るようにいわれたけれど、おずおずと跨り、奏の背中を抱きしめる。

……奏の後ろは、ドキドキする。

ギュッと握りしめた背中は温かくて、なんだか寂しい気持ちを吹っ飛ばすようにドキドキするのに。


「こらぁぁぁ!!!」