「俺は、深雪が戻ってくる自信があったんだからな」

指を舐めながら、奏は立ち上がり、そう豪語した。

「何で?」


「俺がこんなに好きだから」



応えになってない解答にまた爆笑したら、体育館倉庫からボールと取り出した。

そして、3ポイントの位置で立ち止まると、真面目な私の好きな試合中の奏になる。

ボールが放たれると、奏はくるりと私の方を見た。
落ちていくボールの結果なんて気にもせずに。

「深雪が戻って来たのは、俺が好きだからだろ?」


私は、静かに頷いた。