とっくに誰も居なくなってしまった体育館で、最後の蜂蜜レモンを突き出した舌の上に乗せたままの姿で、奏は私を見ると固まった。 「―――おかえり」 「ただいま」 先生も、一年も誰も居ない。 居ないのに点数板だけは、置かれていたままだ。 120-10 その点数に爆笑してしまった。