放課後、職員室の印刷機を二台借りながら、プリントを印刷した。
バスケ部の副顧問の凛ちゃん先生は、眼鏡の良く似合うカッコいい先生なんだけど、バスケ部の雑務を引き受けてくれるから本当に助かってる。
奏目当ての子たちがマネージャーの見学には来るものの何故か入ってくれないし。
そのせいで私だけしかいないマネージャー雑務を凛ちゃん先生は手伝ってくれている。
「練習試合?」
「そ。浜松高校のバスケ部と」
凛ちゃん先生にそう言われた。
偶然って重なるものなんだなってしみじみ思いながら、コピー機から印刷されてきたプリントを手に取ってみた。
ウチの高校の体育館でするらしい。
日程も土曜日なら、ウチのバスケ部も文句なないだろう。
「新道くんは、優しい子だね」
「へ?」
プリントを見ながらぼーっとしていたら、凛ちゃん先生が噴き出すようにそう言った。
私はその意味が分からなくて先生を見上げると、優しく笑う。